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HOUSE-S|愛着のカタチ

東京都葛飾区で提案させていただいた「HOUSE-S」の設計契約の内諾を先日いただきました。

プレゼンテーション後に娘さんが「お絵かきしたい!」と模型にペンを走らせはじめました。模型は、丁寧に扱わなければならないと思われがちですが、全然そんなことはないと思っています。模型は、お施主さんとイメージを共有するためにつくりますが、鑑賞するだけのものではなく、見て、触って、時には手を加えながら、一緒に考えるためのツールでもあると思っています。設計者にとっても、お施主さんにとっても、それは同じです。

AIの発展が目まぐるしく、未来が訪れたようなワクワクを感じる一方で、同時に危機感のようなものも感じています。そんな中で、これからも残っていくものの一つに「履歴」があるように思えます。写真やテキスト、経験や体験などの価値が大きくなり、カタチに残していくことがより重要になっていくように感じます。そういった履歴が建築家としての属人性を保つ手段の一つになるのかもしれません。

HOUSE-Sは「愛着」が重要なキーワードの一つになっています

建て替えの計画なのですが、現在のお宅には、世代をまたいで住み継いできた、家への愛着、家族への愛着、街への愛着が、溢れていると感じました。カタチをそのまま残すことは難しいですが、タテモノのカタチが変わっても、そこで育まれてきた愛着を別のカタチに変え、次の世代へと継承していくことが重要になるように感じています。

自邸の加藤小屋の作り方にも共感していただいていて「未完」も一つのキーワードになっているのですが、未完は、手を加えられる余白でもあると、住みながら感じています。「未完は愛着が生まれる余白」と言えるのかもしれません。

ただ、その「愛着のカタチ」は、設計者だけでつくれるものではありません。ご夫婦やお子さん、ご両親の考えやアイディア、家や家族、街にまつわる思い出や想いを丁寧に伺いながら、設計者として伴走し、HOUSE-Sらしい「愛着のカタチ」を一緒につくっていきたいと思います。