建築の価値基準

私は建築はやりますが、アートはやりません。なのでアート鑑賞をする際は「美しい」か「カッコいい」かなどの大枠の価値基準でしか見ていませんし、見れません。(もちろん、作者の意図やアートから何を感じるかなど、色々な想像はしますが、話の趣旨からズレるため割愛します)

アートをやっている人であれば、技術的な部分やディテールに目がいくかもしれませんが、私にはわかりません。アートは素人ですから。

建築でも同じようなことが起こります。建築をやっている人たちのコミュニティーの中だけで意思疎通ができ、盛り上がっている状態にしばしば遭遇します。それはそれで有意義で楽しい時間なのですが、それを主の価値基準としてしまうのは違う気がしています。

建築を利用するのはプロではありません。建築をやっていない一般の方です。その人たちは「美しい」か「カッコいい」か「居心地が良い」か「使いやすい」かなどの大枠の価値基準で良し悪しを判断していることが多いと思っています。その前提を理解していくことが必要に感じます。

だからといって、わからないのだから拘らなくてよいかといえば話は別だと思っています。建築のプロとしての陰での細部への拘りなどの総和により、空気感や美しさや居心地の良さが生まれ、大枠の価値基準の良し悪しに影響が出ていくと考えています。

午前中、次男くんの習い事の待ち時間を利用して近くの美術館を巡ったのですが、そんなことを考えながら、時間を過ごしていました。