〝頭の中〟の整理整頓

建築設計だけに限った話ではないですが、整理整頓することは仕事をする上で凄く大切な要素だと思っています。

デスク周りや書類等の物理的な整理整頓も勿論、大切です。それにより作業効率の向上等が見込まれます。

しかし、ここで私が特に言いたいのは〝頭の中〟の整理整頓の話です。

建築設計では、この敷地では何ができて何ができないのか、クライアントの要望の優先順位はどうなっているのか、法的な制限、日照条件、コスト的なバランス、構造的なバランス、etc…。様々な与条件を整理する必要があります。

ですので、私はプランを考える時いきなり作図やスケッチは始めません。まずは、全ての与条件を文章化することから始めます。そして、それらを整理し、優先順位や、できること・できないこと等を可視化します。そうして整理していくと〝何をするべきか〟が見えてきます。今度は、それに対し〝どのような方法をとるか〟を考える。そこから、作図をしたり、スケッチを描いたり、模型を作ったりと、ようやく手を動かす作業をしていきます。手を動かすまでに行う整理整頓の作業は、一見、事務的で地味な作業のようですが、非常に大切でクリエイティブな作業だと捉えています。

そうです。〝整理整頓〟は〝クリエイティブ〟な作業だと思うのです。「閃き」という言葉があります。それは、上記のような〝頭の中〟の整理整頓を瞬時に行い、答えを導きだした行為だと解釈しています。私はまだ文章化及び可視化してから答えを導きだしていますが、訓練していけば〝頭の中〟だけでその作業を行えると感じています。そんなことを所員時代からずっと考え続けていますが、その当時よりは、確実に〝頭の中〟を整理整頓する技術は身についています。

〝頭の中〟の整理整頓ができていると良いことばかりだと思うのです。良い提案を導くこともできるし、トラブルを回避することもできる。そして、何より仕事が早くこなせるようになると感じています。〝仕事の速さ〟は〝判断の早さ〟だと思うのです。例えば、作図の作業であれば、手を動かす早さを早めるのは限界があります。しかし、作図には〝考える時間〟があります。それはイコール〝判断する時間〟だと思うのです。その判断を如何に早くするか、即ち〝頭の中〟の整理整頓を如何に早くするかで作図全体の早さを早めることができると思うのです。これは、建築設計の場合の一例ですが、その法則は大半のことに当てはまると感じています。

もし、スタッフを雇うことになり、面接をしたとしたら「整理整頓は好きですか?」と質疑すると決めています。それくらい大事な要素だと強く思うのです。