本日、HOUSE-Yの工事契約が無事に結ばれました。
和気あいあいとした雰囲気の中、縁を結べたことを心嬉しく思います。
クライアンと施工業者に本当に恵まれているなと実感しました。
また、その出会いに改めて感謝を感じる日にもなりました。
一人の力なんて大したことはありません。周りの方々の力を借り、助けを受けて成り立っている。
年齢や経験を重ねる程、謙虚な気持ちや初心を忘れてはいけませんね。
より豊かな生活を営んで頂けるよう、これからより一層、精進していきたいと思います。
本日、HOUSE-Yの工事契約が無事に結ばれました。
和気あいあいとした雰囲気の中、縁を結べたことを心嬉しく思います。
クライアンと施工業者に本当に恵まれているなと実感しました。
また、その出会いに改めて感謝を感じる日にもなりました。
一人の力なんて大したことはありません。周りの方々の力を借り、助けを受けて成り立っている。
年齢や経験を重ねる程、謙虚な気持ちや初心を忘れてはいけませんね。
より豊かな生活を営んで頂けるよう、これからより一層、精進していきたいと思います。
今日で事務所を立ち上げて1年が経ちました。
取り急ぎ、生きていますので順調と言う事にしておきましょう。
独立してから今日に至るまで、また、独立に至るまでそれなりの事はやってきました。誰かが自分の代わりに努力してくれた訳でも、何かをしてくれた訳でもありません。それは自信を持って言えます。
しかし、場を与えてくれ、理解してくれ、許してくれ、力を与えてくれたのは、今まで出会った人々や周りの環境です。気恥ずかしいですが、その中でも特に大きな存在なのは妻です。彼女と出会ってなければ独立どころか建築を続けていくことすらできていなかったかもしれません。
妻をはじめ、私に関わって下さっている全ての方々に感謝しています。
初心と感謝と感動をいつまでも忘れず、これからも我道を精進して歩んでいきたいと思います。
千葉県館山市でプロジェクトが始まったHOUSE-Kは、100㎡の平屋で提案をしました。緑豊かな可能性を感じさせる敷地にできる限り開き、連続性や繋がりを持たせたいと考えた為です。
実は、最初のヒヤリングの時点でクライアントからは〝平屋NG〟と言う要望が出ていました。しかし、平屋の可能性やメリット・デメリットを説明した上で、提案を受け入れてくれました。
皆さんは「平屋」と聞いてどんなイメージをするでしょうか?
〝安っぽい、古そう、質素、狭そう〟等々、マイナスのイメージをする人が多いのではないかと思います。色々と話を伺っていると古い日本家屋と賃貸平屋アパートを連想する人が多いようです。
私は、平屋にマイナスイメージは全くありません。そんなことはないのです。平屋は〝贅沢な建ち方〟なのです。理由はいくつかあります。
1つ目は敷地の広さです。
敷地には建蔽率(けんぺいりつ)と容積率(ようせきりつ)言う制限があります。建蔽率は敷地に建てる事ができる建築面積の割合、容積率は敷地に建てる事ができる延床面積の割合です。例えば、100㎡・建蔽率50%・容積率100%の敷地があるとします。100㎡・建蔽率50%なので50㎡が建築面積の限界です。言い換えれば、平屋を建てようとした時の面積の限界です。勿論、2階建にすれば容積率100%なので100㎡の面積が確保できます。建蔽率50%の敷地に100㎡の平屋を建てようとすれば、最低でも200㎡の敷地が必要になります。敷地が広くない限り100㎡平屋を建てる事はできないのです。
2つ目はコストです。
同じ面積の2階建と平屋のどちらが高いと思いますか?なんとなく平屋の方が安い気がしてしまいますが、実は逆です。平屋の方が高いのです。2~3割程度割高になると言われています。大きな理由は〝基礎と屋根の面積〟です。100㎡の総2階建てだとすれば建築面積は50㎡です。基礎も屋根面積50㎡と言う事になります。100㎡の平屋だとすれば建築面積は同じ100㎡です。基礎と屋根面積も100㎡です。2階建の2倍になります。基礎工事は、木造住宅の中でコストの大きな割合を占めています。それが2倍になるのは大きいことなのです。屋根も屋根材だけでなく下地材や防水材等も同時に2倍になってくるのでコストアップに繋がります。
3つ目は繋がりです。
これは、法規制やコスト等の現実的な部分とは関係無く、感覚的な部分の話になりますので私見ですが、平屋は敷地と接する部分が必然的に多くなり、外部との繋がりも多くなります。内部も2階建にしてしまえば1階と2階で空間が分断されてしまいます(勿論、それが良い場合もありますし、良いと言う考えもあります)が、平屋であれば内部空間の連続性が生まれやすくなります。外部との距離、内部同士の距離が近くなる事で、そこに何か新しいコミュニケーションが生まれるのではないかと可能性を感じています。
どうでしょう?平屋の見え方が少し変わりましたか?
平屋について再考してみてはいかがでしょうか。
HOUSE-Yの工事見積が上がってきました。
通常、1社に絞らず、性質の違う3~5社程度の施工業者に見積を依頼し、相見積をします。今回は3社に見積依頼をしました。
見積が上がってきてから数日間は見積書との〝にらめっこ〟が始まります。単価が適切なのか、数量は間違っていないか、項目に抜けがないか等のチェック作業をします。まず、それぞれの施工業者でバラバラに入れてきている項目を比較できるように全社、全項目をエクセルデータに落とし込み直し、事務所オリジナルの比較表を作成します。そうすることにより何にどれ程の金額が掛っているのか、他社と比較して単価や数量の差がどうなっているのか整理することができます。次に数量の確認をする為、自分で面積等を拾い直し、単価が適切なのかを確認する為〝積算資料〟と言う全国の平均単価が記載されている本を1項目ずつチェックをし…。正直、骨の折れる作業です。しかし、非常に大切な作業なのです。
施工業者を信用してしまえばそれまでの話なのですが、施工業者も人間です。手違いをすることもあります。ましてや、1棟の住宅に掛る全ての数量や項目を整理して金額を出すのですから、その作業量は膨大なものになります。しかも、元請施工業者だけでそれを担うのではなく、各部門の下請業者に見積依頼をし、それを集計する作業をしています。時間をいくらでも使って良いのなら手違いも少ないと思いますが、それを3週間程度でまとめ上げ、提示しなければなりません。多かれ少なかれミスは発生します。それらをチェックする事は設計事務所の責務です。場合によっては100万程の減額がされる事もあります。クライアントから支払われる設計料の何割分かに相当する金額が減額されることもあるわけですから、設計事務所の存在意義を示す大事な部分であると感じています。そうした地道な作業の末、適切な単価と数量で、適切な金額の住宅の提供が可能になります。
設計部と施工部が同じ社内にあるハウスメーカー等(いわゆる〝設計施工〟とうたっている会社)がチェックをしていないとは勿論言いませんし、適切な数量や価格でないとは勿論言いません。しかし、ハウスメーカー等の坪単価には営業経費や広告宣伝費等も含まれていることは事実です。それに対し、設計事務所と施工業者は利害関係の無い第三者同士です。何かのマージンが掛ることもなく、掛るお金は、設計の人件費・工事の材料費・工事の人件費だけです。シンプルで純粋なお金の掛り方をしていると私は解釈しています。設計と施工が分離していることはお互いに監視できる関係性であるとも言えます。見積金額や現場の不備、又、設計の不備等を指摘し合うことができる。それも設計事務所のメリットの一つだと言えるのではないでしょうか。
HOUSE-Yの実施設計が終わりました。
実施図面は合計で51枚描き上げました。「そんなに描く必要ある?」と言う人も「それぐらい描いて当然でしょ」と言う人もいるかと思います。
図面を描く意味は3つあります。1つ目は「設計意図を伝え、工事を正確に行う為」です。当たり前ですね。ちなみにハウスメーカーや建売住宅の図面枚数は5~10枚程です。それは〝標準仕様〟と言う設定をする事で事細かに設計意図を伝えなくともそれに則り、セミオートで現場が進んでくれる為、枚数を少なくすることが可能になります。ある程度は現場にお任せと言う感じです。対して、設計事務所には〝標準仕様〟と言うものがありません。フルオーダーメイドなわけです。予算や要望内容に合わせ、構造・空間構成・素材・設備等を一からすべて考え、創り上げます。決まり切ったものもなければ、現場判断に任せることもありません。その全ての設計意図を現場に伝える為には多くの図面を描く必要性が必然的に出ます。
2つ目は「工事見積を正確に行う為」です。先程の内容と重複しますが、設計事務所には〝標準仕様〟がありません。ということは〝標準坪単価〟も存在しません。30坪の建物なので30坪×坪50万=1800万という単純計算ではいきません。見積をする施工業者としては図面に建物の仕様について全て描き込まれていないと正確な見積が出来ないのです。裏を返せば図面に描いていない事は現場にも見積にも反映されず〝抜け〟となってしまいます。その〝抜け〟は現場が始まってから気付けば金額を見ていないものになってしまうので追加工事として工事金が発生します。それが起きると一番困ってしまうのはクライアントです。予算内に納まっていたと思っていたものが実は納まっておらず、予算オーバーをしてしまうということになればトラブルに繋がります。その可能性を限り無く0に近付ける為に多くの図面を描くのです。
3つ目は「建築のクオリティーを上げる検討をする為」です。以前勤めていた設計事務所の所長に「描かないと解らない事が多くある。だから多くの図面を描け」と良く言われました。その通りだと思います。プロと言えど、ある程度の空間構成や納まりを想像できても全てを想像できるわけではありません。図面を描いていく中で〝気付き〟があり、新たな課題が見えてくることは往々にしてあります。その〝気付き〟が多い程、建築のクオリティーが上がり、より質の高い建築になるわけです。
等々と試行錯誤しながら描き上げた図面は施工業者に渡し、現在、工事見積中です。予算内に納まることを切に願いながら見積UPを待とうと思います。
先日、友人とバーベキューをしました。その際、話の流れからとある友人が「ロジック(理屈)で説明できないものには納得ができない。それは〝なあなあ〟と言うんだ。だから嫌いなんだ」と発言していました。バーベキュー中にそのような発言が出るのも可笑しな話なのですが…。
ロジックは大切なことだと私も思いますが、同時に疑問も抱きました。私は建築の人間なので建築的目線の話にはなりますが、住宅設計をする上でロジックは絶対不可欠です。法規的な制限や絶対的に逆らえない自然の摂理、実際に生活する上での必要になる距離や寸法、コストバランス等、挙げたら切りがないですが、ロジックでしか解決できない部分が建築には多くあります。しかし、ロジックだけで固められた空間に私は面白みをあまり感じません。
例えば、旅行に行き、予約していた旅館の一室に通された時、気持ちの良い空間だなと思ったとします。空間構成なのか景色なのか、はたまた匂いなのか。その理由はわかりません。〝何か〟気持ち良い。その〝何か〟を論理立てることや科学的な根拠を出して説明をすることが出来るかもしれません。しかし、説明するべきでしょうか?説明されたいでしょうか?。大半の人の答えはNOだと思います。それはロジックで説明が出来ない感覚的な部分であり、非常に曖昧なモノです。彼の言葉を借りると〝なあなあ〟なモノです。しかし、その〝感覚的で・曖昧で・なあなあ〟な部分が建築に豊かさを与えているのだと私は思います。
そもそも人間は非常に曖昧な感情を抱えていると生き物だと思います。少し前のドラマ「若者たち2014」で妻夫木聡演じる佐藤旭が「理屈じゃねーんだよ!」と連呼していたのを思い出しますが、理屈だけで私達は動いてないと思うのです。頭では解っていてもついついやってしまうこと。私もあります。皆さんも身に覚えがあるのではないのでしょうか。そう言った複雑で繊細な感情を唯一与えられた人間が住まう場所が住宅なわけです。ロジックで説明することも勿論大事ですが、その感覚を刺激するような設計をするべきではないでしょうか。
〝ロジック過ぎないロジック〟それが私のロジックです。
ロジック、ロジックうるさくてすいません。
HOUSE-Yの地盤調査を行いました。
地盤調査とは敷地の地盤の強度や土質等を調べ、地盤補強の要否を判断するものです。
地盤補強をすると種類や範囲にもよりますが、50万~150万程の施工費が掛ります。キッチンがまるまる一つ買えてしまうようなお金が飛んでしまうわけです。安心安全の為に仕方のない事ですが、掛らないに越したことはありません。事前に近隣の地盤調査記録や周辺の状況等から判断し、補強が必要になる地盤かどうかは勿論検討します。しかし、何せ地盤なので敷地の表面ではなく下部の話です。掘らない限り見えない。調査するまでは本当にどうなってるのかわからないのです。文字通り〝本当に見えないお金〟なわけです。
今回は、地山であり、恐らく切土の敷地であると判断していました。地盤が固いから山になれるわけです。そして、その山を切った敷地ならば強固な地盤であるはずだろうと予測をした上で、近隣の切土の地盤調査記録を確認し、地盤補強は必要ないのではないかと推測していました。結果は、予測通りの地盤構成でした。強固な地盤と判断され、地盤補強は必要ないと調査結果が出ました。取り急ぎ一安心です。
余談ですが、今は調査記録はリアルタイムでスマートフォンに送信され、確認できるらしいです。驚きのあまり、記念に一枚撮影させて頂きました。便利な時代になりましたね~。
Nさん家族の土地探しを継続中です。先日、東村山市で非常に豊かですが、非常に理不尽な敷地に出会いました。
形状は旗竿敷地ですが、北側・東側の2面は高台になっており、ロケーションが非常に良い。周囲の山々や西武園遊園地の観覧車、夏には花火を眺める事もできるとのこと。敷地には樹齢20年程と想定される桜やモミジ等が現存しており、四季それぞれで違った表情を見せてくれる事が期待できる緑豊かな環境でした。色々なイメージが膨らむ豊かな敷地をNさん家族も私も一目で気に入りました。しかし、懸念材料が2点程あったので役所調査後、購入を検討することとなりました。
1つ目の懸念材料は「擁壁」です。高台になっている北側・東側には高さ5~7m程の擁壁が現存しています。擁壁には大きく分けて4つの種類があります。1つ目は「宅地造成・区画整理等の公共事業による擁壁」、2つ目は「個人・法人事業者の開発行為による擁壁」、3つ目は「建築確認申請で工作物として申請している擁壁」、4つ目は「高さ2m以下の許可等を必要としない擁壁」です。1~3つ目のいずれかの擁壁であれば、敷地の安全性を担保できる擁壁として行政は判断してくれます。4つ目の擁壁であれば安全性については設計者に判断が委ねられます。行政機関で擁壁の履歴等について調査を行いましたが、結果は驚きの内容でした。機関担当者は「その擁壁に関する許可番号等の履歴は一切ない」と言うのです。対象敷地の擁壁は敷地の部分だけではなく周囲の敷地から連続して同構造の擁壁が100~150m程は構築されていました。また、基準等に準じたものであると外観上は判断できるものでした。無許可で構築されたものとはとても思えません。敷地には築30年程の古屋がありますが、無許可で構築された擁壁であれば「崖地条例」により建物への制限が厳しくなります。その基準も満たせているようには見えません。なぜその古屋が建つ事ができたのか謎が残ります。機関担当者に尋ねると「わかりません。30年前の履歴は残ってないのでこちらでは把握していません」と回答が戻ってきました。そのような履歴や経緯を管理するのが仕事ではないのでしょうか。非常に理不尽な回答です。結果「謎の擁壁」ということになってしまいました。
2つ目の懸念材料は「接道義務」です。原則として敷地は4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければなりません。それを「接道義務」と言います。今回の敷地は4m以上の幅員の道路に2m以上は接していますが、接している道路が建築基準法上認められていない「法定外道路」でした。「接道義務」を満たしていない敷地には原則建物は建ちませんが「建築基準法第43条第1項但し書許可」を取れば建築することが可能になります。その許可手続き等について行政機関に確認した所、その内容は非常に苛酷なものでした。詳細に書いていると内容があまりにも膨大なものになってしまいますので中略しますが、許可を降ろすまでに相当な労力と時間とお金を必要とします。難しい手続きを淡々とこなしているだけであれば、まだ良いのですが、道路の所有者全員の承諾・実印・印鑑証明が必要になる等、自分の力だけではどうにもならない部分があり、どれ程の時間が掛るか全く読めない。担当者は「降りるかどうかわからないとしか言いようがありません。時間に関しても何とも言えません。長い人は2年程前からスタートしてまだ手続きが終わってません」と言うのです。今回の敷地はもう人は住んでいない状態であり、売りに出してしまっているからまだ良いと思いますが、仮に居住中で建て替えをしたい場合はどうなるのかと思い「建物がボロがきてるので建て替えをしたいとなっても同じ手続きを踏むのですか?手続きをしている最中に南海トラフ地震が起きて建物が倒壊したらどうするのですか?救済処置等はないのですか?」と質問すると「建築基準法第43条第1項但し書許可が必要な敷地に住まう人の宿命です。それが嫌なら最初からその敷地に住まわなければ良い。同じ手続きを踏んでもらいますし、救済処置もありません。勿論、建物が倒壊しても責任は取れません」との回答でした。理不尽を通り越して冷徹な対応です。土地も建物もその人の立派な財産です。もう少し血の通った行政であってほしいものです。
あれだけの豊かな条件が揃った敷地です。非常に勿体無い。言うまでも無いですが、今回は諦める事になりました。土地は巡り合いです。今回は縁がなかったと考えるしかないですね。
設計協力させて頂いた「みちぱん平塚店」が7月13日にOPENしました。
興味がおありの方は、是非、お立ち寄り下さい。焼き立ての美味しいパンが頂けます。
所在地:〒259-1206 神奈川県平塚市真田3-15-3
Nさん家族と武蔵村山市と東大和市に敷地見学に行ってきました。
設計段階からだけでは無く、敷地選定の段階からのお手伝いもさせて頂いています。
敷地を法規制・インフラ設備(公共上下水・ガス・電気等の公共設備)・地盤強度等、多角的に観察・調査し、どのようなメリット・デメリットがあり、そこにどのような住宅が建つことが可能なのか、その周囲の住環境が長期間住まう中でどのような変化があるのかを具体的にイメージした上でアドバイスさせて頂いています。
一生で一回の大きな買い物です。後悔のないよう精一杯、お手伝いさせて頂きます。
見学の道中、お子さんが「お買い物はいつ行くの?オモチャおいてある?」と聞いてたのが印象的でした。
オモチャはないけどお買い物中なんだよ~。
今回、4つの敷地を見学しましたが、残念ながら条件に合うものはありませんでした。
Nさん家族が良き巡り会いができるようこれからもお付き合いさせて頂きます。
HOUSE-Yの床材塗装見本が届きました。
今回、1階床は予算の関係もあり、シナ合板に塗装をしたものを採用することになりました。
中程度のフローリングの半額以下で施工が可能です。
シナ合板を床に使用?っと疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。シナ合板は壁・天井・建具等に使用しても、通常、床には使用しません。正確に言うと床に使用する為に作られた材料ではありません。しかし、塗装や施工方法等を工夫すれば床材として充分に機能してくれます。
採用の塗装剤は「オスモカラー」です。塗料には大きく分けると〝塗膜系〟と〝浸透系〟の2種類があります。〝塗膜系〟は木材の表面を覆う形で膜を作ってしまう塗料です。耐久性等には優れますが、木目を潰してしまうので質感は落ちてしまいます。〝浸透系〟は木材の内部に染み込む形の塗料です。塗膜系に比べ、耐久性は落ちますが、木目を際立たせ、仕上がりの質感が良い塗料です。
「オスモカラー」は〝浸透系〟の塗料に該当しますが、耐久性・耐水性に優れ、勿論、木目の質感も残ります。かつ、自然塗料なので体に優しい。言ってみれば良い所取りの塗料なわけです。なぜそのようなことが可能なのかを説明するとあまりにも長くなってしまうので中略します。詳しくは「オスモカラー」のWebで。http://www.osmo-edel.jp/lineup/osmocolor/
シナ合板は安定した木目がありますが、決して強い木目ではなく、色味もあまりありません。そのまま使用すると少し物寂しいイメージになってしまいます。しかし「オスモカラー」を塗装することで木目と色味が格段に良くなり、味が出ます。全部で8色サンプルを取りましたがクライアントとの検討の結果「ウッドワックスオーク」に床色は決定しました。
私は建築とファッションは似ていると思っているのですが、ファッションに例えると「ユニクロをユニクロに見せない技術」だと置き換えられるのではないのでしょうか。安価なユニクロですが、着こなし方によっては安い服だと思えないことが大いにあります。
安い材料を使えば当然コストは落ちますが、そのまま使用して安っぽい仕上がりになっては私達が居る意味がありません。「ユニクロをユニクロに見せない技術」=「安いものを安くみせない技術」が住宅にも必要なのです。
新店舗の設計協力をさせて頂いているパン屋さんの研修旅行に同行し、台湾に行ってきました。社長さんも社員さんもとても気さくに接して下さり、和気あいあいとした雰囲気の中、非常に充実した時間を過ごすことができました。
旅行中、社長さんと色々とお話しをさせて頂いた中で〝チャレンジは大事〟と言う類の話になりました。社長さんは「2日目はチャレンジして単独で淡水と言う所に行く」とおっしゃっていたので、便乗し「私もチャレンジさせて下さい。台湾でどうしても見たい建築があるのです」と伝えると「折角なので是非行ってきて下さい」とのお言葉を頂戴したので、甘えさせて頂き、2日目に単独行動をし伊東豊雄さん設計の〝台中メトロポリタンオペラハウス〟に行かせて頂きました。
学生時代に伊東豊雄さんの講演会を傍聴させて頂いた時にはまだプロジェクトが始まったばかりでした。スライドで模型写真等を拝見し、是非完成した際には見てみたいと思っていました。当時20歳だったので10年越しの建築巡りになります。
まさか単独行動の許可が出るとは思ってもいなかったので、慌てて所在地等を調べました。ある程度調べた所で、フロントに向かいホテルマンに「行き方を教えてほしい」と伝えると「簡単簡単。新幹線乗ってすぐね」と言われました。新幹線乗る距離なのですか?それ簡単ですか?等と若干の疑問を抱きながら、取り急ぎ皆さんとお別れし建築巡りへ向かいました。新幹線も日本語ができる親切な台湾人がチケットの買い方を教えてくれたので難なく購入。ビールとレッドブルを購入し、いざ台中駅へ。
台中駅から目的地まではタクシーで向かいます。事前に用意しておいた建物の画像を見せるとすぐに理解してくれました。数分であっさり到着。確かにホテルマンが言うように案外簡単でした。
10年越しの建築巡りと言う事も拍車をかけたのでしょうが、建物を見た瞬間にはいつになく興奮しました。この建物は湾曲したコンクリート躯体が連続し外壁になり、屋根になり、内壁になり、床になり、天井にもなる。それぞれが生み出したスペースに各室が配置され、外部と内部・内部同士の境界線が非常に曖昧な中間帯を多く持つ建築物です。
建物周りを3周程し外観をじっくり見まわします。夢中に撮影等をしながらも何か若干の違和感を覚えました。中に誰も居ない…。ポールや足場がチラホラある…。嫌な予感がしつつも正面エントランスへ…。中に入ろうとすると悠長な日本語を話すガードマンから「中は見れません。まだ工事中です」と驚愕の事実が告げられました…。どうやな外観完成はしていたようですが内観は未完成でオープンしてないようです…。
しかし、ここでただで帰る訳にはいきません。単独行動の許可を出してもらっておいて「オープンしてなかったので中は見れませんでした」なんて言えるわけがありません。ガードマンに必至で交渉します「日本からこれを見る為だけに来たんだ!中を見せて下さい!」と言うと「それはできません。市役所の人に怒られてしまいます」と勿論、NGと返答がきましたが「怒られるだけならいいじゃないか!私の為に今日だけ怒られて下さい!」等と無茶なことを色々言っていると熱意が通じたのか「わかった!わかった!市役所の人が居なくなったら入れさせてあげるからちょっと外で待ってて!」とまさかのOKが出ました。外で数分待っていると「今ならいいよ!でも写真撮影はしないで!」と条件はありましたが中を案内してくれました。言ってみるものですね。熱意って伝わるものですね。工事中ですが、躯体はもう出来上がっていたので中の空間構成は十分体験できました。境界線の曖昧さが何か心地良い。海外の有名建築の工事中の様子が見れるとはある意味貴重な体験ができました。
今回、完成を見れなかったのは残念ですが、これも何かの縁なのかもしれません。きっと神様が「事務所を大きくして研修旅行でまた台湾に来なさい」と言っているのだと思います。まだ見ぬ所員と一緒に〝台中メトロポリタンオペラハウス〟の完成の様子が見れるようにこれからも頑張りたいと思います。
HOUSE-Yのクライアントとショールーム見学の為に青山へ足を伸ばしました。青山と言えば以前から気になっている隈研吾さん設計の〝サニーヒルズ南青山〟があることをふと思い出し、「せっかくだからそこでランチをしましょう!」とのクライアントの言葉にも甘え、ランチ兼建築巡りを急遽決行しました。
建物は〝地獄組〟と言う日本の伝統工法で構成されています。釘を一切使わず、組子のみで構造が成り立っており、一度組むとばらせない強固な構造とのことです。その姿は圧巻でした。理屈ではなく建築のもつ力強さを感じれます。
暫く外観を眺めた後、店内に入ると行列ができていました。数分待つと2階へ案内され、席に着くと何も注文していないのにお茶とパイナップルケーキがしれっと登場しました。「お通しかな?これだけで結構しそうだなぁ…」等と思いながら周囲を見渡すと、他のお客さんも同じものを食べていました。しかもメニューがありません…。
どうやらパイナップルケーキの専門店のようです…。事前リサーチでは中華料理だと認識していたのですが…。ランチが出来なくて申し訳ないです…。
あっさり食べ終わり、会計へ向かうと「お代は頂いておりません。おもてなしです」と店員さんから驚きの発言が。どうやら無料らしいです。都会の異文化恐るべしです。
名建築とパイナップルケーキを無料で楽しみたい方は是非〝サニーヒルズ南青山〟へ。
ホームページを開設致しました。
まだまだ余白が多いですが〝余白〟は成長できる〝伸び代〟と考えています。
事務所もホームページもこれから成長させていけるよう、精進する所存です。
宜しくお願い致します。