日帰り二人旅|好奇心を高めてほしい

長男の通学が今週から始まり、小学生になって初めての短い夏休みが終わってしまいました。

先週の夏休み最終週。夏の思い出的になれば良いなと、長男と2人で山梨県北杜市に日帰り旅に出掛けてきました。

長男にも次男にも検索した建築画像をよく見せているのですが、長男が藤森照信さん設計の『茶室徹』に反応していたので、実物を見に行くことに。『茶室徹』がある『清春芸術村』には様々な建築やアートが点在しており、刺激的な施設になっています。

まずは、その『清春芸術村』に行き、建築巡りとアート巡り。到着すると早速「木の上のお家(茶室徹)見たい!」と村の地図を片手に散策。駆け足で目的地に向かいます。「おぉー!すげー!」等と感動しているのも束の間。「これ中には入れないの?え?入れないの!?入りたかった!」とふてくさる長男。気を取り直すために昼食で大好きなハヤシライス(正確にはハッシュドビーフ)を食し、再び、他の建築やアートを巡りました。

その後、それだけでは物足りないと思い『まきば公園』でヤギ等と戯れ、最後に締めの温泉に入り、帰路につきました。

私が息子たちを建築巡りに連れて行くのには理由があります。

1つは〝共有したいから〟です。話は、少しズレますが、私は一人焼肉等はしたことがありません。視線が気になる等で出来ないのではなく、したくないのです。それは〝共有ができないから〟です。「この肉旨いね~!」と共有しながら旨いものを食することに意味を見出しています。だから一人ではつまらない。建築についても同じです。「これ凄くない!?面白いね!」等と共有する人が居ないとつならいというのが本音の一つです。その役割を息子たちに担ってもらっています。

もう1つは〝好奇心を高めてほしいから〟です。建築は〝何か〟のために造られます。建築に興味を持ってほしいという気持ちも勿論ありますが、建築と共にその〝何か〟に触れる機会を多く与えたいと思っています。

〝好奇心〟は〝感動〟を与えてくれる機会になります。何にも興味を抱かず、何も動かなければ、何も始まらないし、何にも心を揺さぶられない。何かに感動することは、自分の人生の羅針盤として大いに役立つ経験だと思うのです。私は、建築に感動し、建築で人を豊かにしたい。その可能性が建築にはある。と思い、建築家を志し、現在に至ります。

建築でなくても勿論、構いません。何か心揺さぶる体験を息子たちにしてほしいし、そのきっかけ作りとして、私との建築巡りが少しでも役立ってくれれば幸いだと思っています。

そんな思いを抱く父は、帰りの車中に「今日は何が一番良かった?」と長男に訪ねてみたところ。

「ヤギ」と一言。

この経験が基になり長男は〝サカナ君〟ならぬ〝ヤギ君〟になるかもしれません。可能性は無限です。

どのような形であれ、私と過ごした時間が、息子たちの将来の糧になってくれればよいなぁと思う父なのでした。