HOUSE-K|難易度の高い敷地

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HOUSE-Kの再プレゼンテーションを行うこととなりました。

計画地はクライアントのご実家の敷地ですが、歴史が古く、道路・隣地境界線共に敷地境界が未確定であり、目印になる塀等もありません。確定測量の範囲や分筆登記の要否等、検討が必要でした。その検討をする為にも、取り急ぎ、公図等を参考に敷地を仮定し、プレゼンテーションを行い、プランや資金計画等の提案させて頂きました。それらを基にして方向性を決め、約4ヶ月の期間を掛け、敷地形状を確定させていきました。先日、ようやく測量図の作成が終了したので、頂いたCADデータに建物を当てはめると…。計画建物が母屋とバッティング…。このままでは母屋の日照等に大きな影響が…。

といった経緯で再プレゼンテーションを行うこととなりました。最初からその覚悟でファーストのプレゼンテーションはさせて頂いていました。仕方がないことです。

その他にも母屋の改修範囲、浄化槽の放流先、水道の水圧、解体工事等、多角的に検討や整理をする必要がある敷地でした。行政機関、施工業者、設備業者、設備メーカー等と調整を図り、方向性を決めなければ、建物の計画に移れない状況でした。それらを整理し、よくやくおおよその方向性が決定しつつあるのが現状です。

先日は、それらの方向性を決める打合せを朝早くから行い、午後は敷地に机と椅子を持ち込みスタディーをさせて頂きました。一度「HOUSE-N」でこのスタディー方法を始めて以来、全ての案件で行うようになりました。一歩間違えば変質者だと思われてしまうというデメリットはありますが、とても有意義なスタディー方法だと思っています。

しかし、そこでも問題が…。なかなかイメージが浮かんでこないのです…。いつもならば、隣地の状況や光の入り方等からある程度、限定をし、イメージを膨らましていく作業を行いますが、計画地は敷地面積が約1000㎡もあり、隣地の建物等もありません。あるのは母屋と小屋、様々な樹木のみです。可能性が多すぎる為、イメージを限定していく作業が中々できない状況に陥りました。約2時間、敷地の中をグルグルと歩き周りながら、母屋の壁線や伐採してほしくない樹木、隣地の樹木から落ちる影等、それらをヒントに想像・想定していった結果、いくつかの方向性がようやく見えてきました。

建築設計に携わっておおよそ10年になりますが、今までで最も難易度が高い敷地だと感じています。しかし、そんな言い訳をしている暇はありません。クライアントが1日でも早く、新しい生活ができるよう、まだまだ頑張らなくてはなりません。