4周年 | 料金改定・システム改定のお知らせ

今月、19日で事務所設立4周年を迎えました。

感謝すべきことに、お蔭様で多くの住宅設計に携われており、多忙ながら充実した日々を過ごせております。

この4周年を目処に料金改定・システム改定を行うこととしました。
しれっと改定するのは、何だかズルい気がするので、改定に踏み切った経緯や想いを書き綴ろうと思います。

具体的な料金改定・システム改定の内容は以下です。

1.設計監理料:工事費の10%+消費税 → 12%+消費税
2.最低設計料:200万+消費税 → 250万+消費税
3.設計契約前に作業が発生する場合のコンサル料設定(10~30万程度)
4.プレゼンテーションを行った上で設計監理契約に至らなかった場合の実費の設定(3万円程度)

となります。

-改定に至った経緯-
大した学歴も職歴もない私が、住宅設計の仕事を得る為には、設計料を低く設定する、契約に至るまでの作業を無料とする等〝料金を安くする〟という入口を作らざるを得ませんでした。独立当初は、5~7%程度の設計料で仕事を請け、それだけでは経営上成り立たない為、下請仕事をして得た資金を住宅設計に充てるという本末転倒な経営をしていました。でも、そこには私なりの想いがありました。実作がない限り次に繋がらない。赤字経営でも実作を造り、成果に繋げ、数年でステージを上げようと考えていました。幸いにも知人から依頼を頂けたお陰で、下請仕事からもフェイドアウトし、設計料も10%まで引き上げ、住宅設計のみで経営が成り立つレベルまで底上げすることができました。

そこにきて、次なる悩みが発生します。嬉しい悲鳴ではあるのですが、知人以外からのお問合せも多くなり〝決まる仕事〟と〝決まらない仕事〟が出てきました。今までは、知人からの依頼だったこともあり、ある程度の信頼関係が構築されている状態からのスタートなので、契約に至るまでの作業を無料にしたとしてもそれほどダメージはありませんでした。即座にプレゼンテーションに移れる状態なら良いのですが、プレゼンテーションに至るまでに調査や事前協議を必要とする案件も多くなってきました。勿論、お断りはせずに協力や調査等を行うのですが、その期間は数か月に及ぶこともあります。もし、それがプレゼンテーションに至らなければ、その期間は無料で時間を提供したことになります。やはりそれはおかしい。動いた分は、料金を発生するシステムにしなければ、経営上問題になる。プレゼンテーションについても同じです。プレゼンテーションを行う為に約半月は時間を費やします。その仕事が決まらなければ、半月分の作業を無料で行うのと同義になります。

なぜ、そこまで費用に拘るのか。別にお金を儲けたい訳ではありません。次のビジョンがあるからです。このまま事務所が成長し続けれたとしたら、いずれ、私一人では仕事をこなす事が厳しくなる。即ち、人を雇わざるを得なくなる。しかし、今の料金システムでは、人を雇うことは非常に厳しい。となるとご依頼を頂いたお客様をお待たせするか、お待たせしないのであればクオリティを下げざるを得ない。しかし、それをしてしまっては設計事務所の存在意義がなくなってしまいます。その為にもそうなることが予測されるこの時期に〝種まき〟をするべきだと考えました。住宅設計は〝花〟を売る商売ではありません。〝咲く花〟を想像させる〝種〟を売る商売です。設計事務所経営も同じことが言えます。〝今〟欲しいと思ってもすぐにはそのステージに持っていくことはできない。〝未来〟を想定して事前に〝種まき〟をすることが必要です。設計事務所の価値を高める為、N.A.Oの価値を高める為の〝種まき〟として改定に踏み切りました。

-設計事務所の設計監理料は高額なのか-
話が長いついでに、是非聞いて下さい。設計事務所の設計監理料は高額なのか。答えはNOです。これは声を大にして言いたい。理由としては2つあります。

1つ目は、業務報酬額と設計監理に掛ける日数の関係です。設計事務所が1軒の住宅に掛ける日数は80~90日と言われています。私の事務所でもアベレージとしてはその程度です。国として定めている建築士の業務報酬額は、資格や実務年数によりますが、3~5万とされています。日数・報酬額ともに間をとって85日×4万とすると約350万が設計事務所の人件費になります。それに交通費等の経費が加わると1軒に対して450万程度の報酬が妥当という計算になります。このような設計監理料を頂けていないのが実状です。我々設計事務所は、赤字産業なのです。

2つ目は、ハウスメーカー等の利益率との比較です。今回、設計監理料を工事費の12%と改定しました。工務店の経費は工事費の10~20%程度です。設計監理料と合計すると上限で32%になります。品がないのでパーセンテージまでは公表しませんが、ハウスメーカー等の設計施工の利益率を下回っています。気になる方はインターネットで色々と情報は出てくるので検索してみて下さい。更に、加えて言うなれば、我々、設計事務所は、ハウスメーカー等の設計監理業務に比べ、多くのエネルギーと作業時間を1軒の住宅に対して割きます。ハウスメーカー等の設計報酬と比べ低い、又は、同等の状況というのは作業量から考えて、妥当な状況ではないと考えています。

諸々、長くなりましたが、これが料金改定・システム改定に至った経緯や想いです。ご理解頂ければ幸いです。