帖数の曖昧さ | 〝どう使うか〟を考える

突然ですが。皆さんがお住まいの部屋の帖数を聞かれて、すぐに答えられますか?

個室であれば、パッと出でくるかもしれませんが、大きな部屋(LDK等)だとすぐには出てこないのではないのでしょうか?個室にせよLDK等にせよ、仮にすぐに出てきたとしてもそれは不動産図面や建築図面等に記載されている数字を覚えているだけではないですか?もし、その図面が間違っていたら?自分が思っているより実は部屋の広さが狭かったなんてことも起きるかもしれません…?

別に図面の作成者を陥れたいわけではないです。何が言いたいかというと帖数とは〝曖昧なもの〟と言いたいのです。仮に私が22帖ある部屋を「この部屋は20帖です」と言ったらそんな気がしてしまうのではないのでしょうか?(そんなことはしませんが)

そんな曖昧な物差しで部屋の面積を決めるべきではないと思うのです。
大切なのは〝帖数〟ではありません。〝どう使うか〟だと考えています。

ダイニングにしても、8人掛けのテーブルを置くのか、4人掛けのテーブルを置くのかで面積は変わってきます。キッチンにしても、どの程度の作業スペースが欲しいのか、食器の量や食品の量はどの程度なのか、作業する人数は何人なのかで面積は変わってきます。リビングにしても、寝室にしてもそうです。すべてはその空間を〝どう使うか〟によって必要な面積は変わってきます。

ですので、私は、ヒアリングの際に「何帖の部屋が欲しいですか?」とは聞きません。プレゼンテーション時も、打合せ時も、敢えて図面に帖数は、記載しません。その変わり、家具のレイアウトや導線等〝使い方〟示す書き込みを多く記載します。

帖数という既成概念に捉われずに〝どう使うか〟を一緒に考えてもらいたいからです。

皆さん、最初は戸惑います。ですので、念の為、帖数が記載してあるメモを打合せには持っていきます。最初は、何回か使用しますが、打合せが進むにつれて、そのメモを出す機会はなくなっていきます。

帖数という枠組みを外して住宅を考えてみると新たな価値観が見えてくるかもしれません。